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一面氷に包まれ、
厳しい北風が吹きつける冬。
肌を刺すような冷たい風が、
丘の表面を這うように走り抜ける。
武佐岳の山頂に強風による雲がたなびく。
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駐車場からすぐの幸せの鐘までも、
季節によっては登る事ができない程、
雪が根付く。
積るというのではなく、風で押し固められた
とても固い雪だ。
はてしなく氷に近い雪を越えて、
丘に登ろう。
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展望台までの階段はすべて雪に覆われ
手すりですらわずかに顔を出している
部分がある程度だ。
展望台は冬眠中。
年末年始には、毎年数名の旅人が
この氷の世界で数日を過ごす。
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水場も当然氷つき、
摩周や斜里、知床連山の白い山並みが
チベタンブルーの吸い込まれそうな
青空に映える。
この厳しい季節があるからこそ、動物も植物も
たくましく生きていける。
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雪雲が覆い、
その隙間から太陽の光が雪原を照らす。
果てし無く地平線まで続く根釧原野は
シンと静まりかえっている。
どの季節よりも、生きている事を感じられる。
それが冬だ。
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